確かに知識をビジネスにするのは難しい。筆者も10年以上シンクタンク,コンサルティング業界に身を置いているが,シンクタンクのように社会への政策提言などは誰もが重要性を認めてくれるような知識だとしてもスポンサーがいなければなかなかビジネスとしてはやっていけない。コンサルティング業界も最後に費用を決める時は「知識」の価値ではなく,人月計算を行い「労働時間」で行うことがほとんどである。つまり頭脳労働のふりをしていても,実態は時間給で働いている労働集約産業と同じ構造である。これはシステム開発のSEの仕事でも顕著な傾向であるし,知識ビジネスの頂点と思われている弁護士ですら費用算定の基準は時間になっている。ソフトウェアや知財ビジネスも現在の産業分類では第三次産業と呼ばれるサービス業であり,労働時間をサービスする産業という範疇を越えていない。